風俗に行ったのですが、性病になったか不安です。自覚症状が薄いのですが、ちょっとムズムズします。気にせず風俗通いしてもOKでしょうか。どうしたらいいでしょうか。
性病(STD)に心当たりがあり、少しでも心配なら風俗通いはNGです。
まず「泌尿器科」で「保険適応」をしているクリニックへの受診をオススメします。
それでは簡単に性病の種類や性病の感染ルート等についておさらいしてきましょう。
性病(STD)とは
性病の感染経路
– フェラチオや、スマタなどの行為により感染する場合も多い。
・コンドームを使用しない挿入行為等で直接感染するパターン
・キスなどの体液交換で感染するパターン様々な感染の危険性があります。
コンドームを使用しても性病に感染するパターン
コンドームを使用しているので、性病にかかるはずがない!
オーラルセックス、フェラチオやスマタ、キスだけでも感染する性病もあります。
また、性病に感染するリスクは挿入時よりもオーラルセックスでのほうがリスクが高いとの意見もあります。
風俗に通っている無自覚男性が感染させるパターン
週に1度必ず風俗に行くが、性病の検査は一度もしたことは一度もない。
何故なら症状がないから。
症状がないということは検査をする必要がないと思っている。
頻繫に風俗店を利用する場合、定期的に性病検査を受けることが推奨されます。仮に自覚症状がなかったとしても、自分自身が感染源となってしまう場合もあります。
性病の種類
クラミジア
うつる行為
キス、オーラルセックス、精液の粘膜接触、ゴム無し挿入
クラミジアの症状
無症状の場合もあり、自覚症状があまりないまま、パートナーに感染させることもあります。
主な症状は、女性の場合性交痛、排尿痛、男性の場合性器からの黄色い膿が出る等があります。
クラミジアの治療法
クラミジア感染症の治療は、薬物療法が基本です。
一般的に抗菌薬を処方します。飲み薬は、一度飲むだけでよいパターンと数回飲むパターンがあります。3日~1週間で完治するため、早期発見・治療で感染拡大を防ぐことが大切です。
梅毒
梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌に感染することによって引き起こされる病気を指します。
梅毒の主な感染経路は性行為とされています。
きちんと治療をしない限り、梅毒の病原体は体内に残り続けています。
梅毒は症状が無くても進行するので完治するまで治療を継続することが大切です。
うつる行為
キス、オーラルセックス、精液の粘膜接触、病変部への接触
梅毒の症状
梅毒は感染後約3週間で症状がでます。感染した場所(性器、肛門、口など)に、できもの、しこり、ただれなどができます。これらの症状は、放置しておくと2~3週間で消えますが、病原菌は血液に入り、全身に広がります。
その後、ピンク色の円形のあざや赤茶色の盛り上がったブツブツ体の中心線にあたる部分を中心に顔や手足にできます。これらの症状は、3ヵ月から3年続き、自然に消えます。その後しばらく、無症状が続きます。
治療しなくても、数週間~数ヶ月で症状は消えますが、体内で感染が広がり、またパートナーへの感染リスクもあるため、気になる場合は早期の検査・治療をおススメします。
梅毒の治療法
梅毒の治療には抗生物質を使用するのが一般的です。
ペニシリン系などの抗菌薬が有効とされています。 国内では、抗菌薬の内服治療が一般的に行われてきました。 尚、2021年9月には、梅毒の世界的な標準治療薬「ベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤」の国内での製造販売が承認されました。
また神経梅毒などの場合は、抗菌薬の点滴により治療が行われることもあります。
肝炎ウイルス
B型肝炎はHBV(B型肝炎ウイルス)に感染することで発症する病気のことをさします。
うつる行為
あらゆる性行為、キス、オーラルセックス、精液の粘膜接触、ゴム無し挿入、血液感染、母子感染、カミソリや歯ブラシなどの共用など性行為以外での感染も。風俗では、アナルセックスによる感染が多く報告されています。
B型肝炎の症状
全身倦怠(だるさ)、食欲がない、濃い色の尿が出る、発熱、黄疸(体や白目が黄色っぽくなる)など症状を起こす人は感染者の約3分の1と言われ、感染者の半数以上は症状が出ないまま、自然に治ります。肝臓疾患の目安となる、ASTやALTなどの値が異常に高い場合や、黄疸の症状がある時は入院します。
B型肝炎の治療法
一般的には安静にしていれば、 症状が出てから2~3ヵ月で自然に治ります。ただし、まれに劇症化(肝臓の炎症が非常に強くなり、肝細胞のほとんどが死んでしまう)することがあり、症状によっては入院して抗ウイルス療法 (インターフェロン、ラミブジンなど)を行います。
おかしいな?と思ったら、早期の検査・治療を行いましょう。
HPV -ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)
ヒトパピローマウイルス感染症(HPV)は、性的接触のある女性であれば、50%以上が生涯で一度は感染すると言われている一般的なウイルスです。HPVは現在100種類以上の型が報告されていて、大まかにはがんの原因になるか否かによって「良性型」か「悪性型」かに分類されます。
うつる行為
オーラルセックス、セックス、アナルセックス、感染部への接触でうつります。
HPVの症状
HPVの症状は通常、自覚症状はあまりありません。
陰部の不快感や痛み、出血がみられることがあるとされています。
良性型の場合「尖圭コンジローマ」と呼ばることがあり、亀頭や外陰部にピンク色のとさか上のイボができます。
HPVの治療法
HPV 感染の完全な治療法はないとされています。ワクチン接種により、未然に高リスク型の感染を防げることがわかっています。そして定期的な細胞診検査により子宮頸がんの発症を早期発見することが可能となります。近年では、男性のHPVワクチンを受けている人が増えてきました。
性器カンジダ症
カンジダは常在菌であるカンジダという真菌の異常増殖によって起こる腟炎です。
常在菌の増殖による炎症のため自己感染が多いですが、性的接触でも感染します。
抗生剤の服用による細菌バランスの乱れが原因で起こることが多いです。
潜伏期間は1日~1週間前後です。
うつる行為
自己感染、オーラルセックス、セックス、病変部への粘膜接触など
カンジダの症状
カンジダの主な症状は、女性の場合は性交時の痛み、おりものの増加やポロポロしたおりもの、かゆみなどがかあります。
男性の場合は、亀頭周辺に白い塊や強い臭いが出ることがあります。
カンジダの治療法
膣カンジダの治療には、腟錠や腟坐剤、軟膏、クリーム、経口剤などが用いられます。 膣錠や膣坐剤は一般的に連日通院して、病院で膣のなかに挿入場合や、処方された薬をご自身でお風呂上りや就寝前などに挿入、添付する方法などがあります。
ヘルペス
ヘルペスは感染経路を性的接触とする性感染症の一つで、男女ともにかかってしまう病気の一つです。 ヘルペスは単純ヘルペスウィルス1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染によって、性器に浅い潰瘍性または水疱性病変を形成する疾患です。 男性の感染部位は性器や肛門(または口唇)周辺の皮膚・粘膜が挙げられます。
うつる行為
キス、オーラルセックス、精液の粘膜接触、ゴム付き挿入、ゴム無し挿入
ヘルペスの症状
口唇や口唇の周りがむずむずする、ピリピリ、チクチクと痛みを伴う赤みが出る、水ぶくれなどの症状があります。 唇の周り以外にも、口の中(口内、口腔、舌など)、鼻の下・耳・指・首などの体の一部分にできることもあります。
ヘルペスの治療法
初感染や中等症の場合には、抗ヘルペス薬(アシクロビル、バラシクロビル)の内服を行い、重症例や免疫不全者では抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)の点滴静注を行います。
1度感染すると、体内に潜伏しくり返すため、1度感染してしまった後、うつさないためには「ヘルペスが出ているときは性交渉を避ける」「再発予防薬の服用」などの気遣いが必要です。
HIV・エイズ
エイズとは、「後天性免疫不全症候群」を略した言葉です。 HIVウイルスがリンパ球に感染すると体の中の免疫力が壊されてしまい免疫機能が低下します。
うつる行為
HIV(エイズウイルス)を含む血液、精液(さきばしり液含む)、膣分泌液といった体液が、相手の粘膜部分(主に口の中、ペニス、尿道、膣、直腸など)や傷口などに接触することで、感染の可能性があります。
人間の皮膚は通常、身体を守るバリアや鎧(よろい)のような役割を果たしているので、健康な皮膚にHIV(エイズウイルス)を含む血液が多少付着した程度ではうつりません。
しかし、大きな傷口や粘膜(男性の尿道口付近、女性の膣周辺、口の中、肛門や直腸の粘膜など)には、皮膚というバリアがないため、HIV(エイズウイルス)が感染しやすくなります。
母子感染や注射器、刺青などによる感染もあります。
HIV・エイズの症状
感染初期(HIV感染から2~6週間) HIV感染者の50~90%に症状が出ます。 インフルエンザに似た症状で、発熱、リンパ節が腫れる、咽頭炎、皮疹(ひしん)、筋肉痛、頭痛、下痢のいずれかの症状があらわれますが、数週間程で症状が消えてしまい5~10年程の無症候期に入ります
HIV・エイズの治療法
HIV感染症の治療は3~4種類の抗HIV薬を組み合わせて内服する多剤併用療法が基本です。 最近では、2〜3種類の成分が1錠の中に含まれた合剤が多数でており、1日1回1錠内服での治療も可能となっています。
HIV・エイズは治るのか・完治について
HIVに対する確実な治療法はまだ見つかっていません。 しかし、発病を遅らせたり、発病 した感染症を治す治療は進んでいます。 また、検査や治療を受けるときは、パートナーに異常や自覚症状が無くても、必ず一緒に受けましょう。
性病の予防
ワクチン接種
肝炎・HPVは現在ワクチン接種が可能です。該当する行為を頻繁にする場合、ワクチン接種も有効な手段です。
定期的な検査
風俗で働いている女の子の多くは、定期的な性病検査を受けています。
しかし、女の子の予防だけでは万全ではありません。
無症状のまま感染し、他人にうつしている可能性があります。
この記事をきっかけに”人生で一度も性病検査を受けたことがない!”という方は、性病検査に行ってみてくれたら嬉しいです。
おわりにー性病はなくせる?
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。
上記にあげた性感染症は、現在日本で観測されることの多い病気、また近年感染拡大が見られる病気です。風俗で働いている/遊んでいると、”性病”という言葉はとても怖く日記などでも口にしづらいところがあります。
ですが、過去に人類は感染力の高い様々な感染症を克服してきました。ペストや狂犬病、天然痘等、完治はできないが努力により克服してきた感染症は多数あります。
ここにあげた病気も、正しい知識と定期的な検査・早期の治療により感染拡大を防止し、理論上は根絶することが可能なものです。
「怖いから見ない」のではなく、みんなで、根絶への第一歩を踏み出せたらなと思います。
この記事に関するご意見や訂正などありましたらsuzuka Twitterまでリプライ頂けると嬉しいです。
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